歯科医・歯科衛生士、歯科医院のための転職・求人・採用サービス「ゲンキャリア」
ゲンキャリアNEWSでは、
転職・復職を目指している歯科衛生士の方や、歯科衛生士を求める歯科医院の方へ、
求職・採用に関するお役立ち情報などを配信していきます。

「スケーラーを握る指先の感覚が、以前と同じように戻るかな」
「新しい器材や治療方法、どんどん変わる診療報酬体系……私だけ取り残されていないかな」
数年のブランクを経て復職を考えたとき、こうした不安が頭をよぎるのは、ごく自然なことです。
むしろ私は、その不安を感じることこそが、あなたがかつて真剣に患者様と向き合い、責任ある仕事をしていた「プロフェッショナルである証拠」だと思っています。
歯科医師であり、医院経営コンサルタントとして多くの採用現場を見てきた立場から言わせれば、ブランクがある方は、実は歯科医院にとって非常に貴重な存在です。子育てや他職種での経験を通じて得た「新しい視点での社会性」や「患者様と同じ目線」は、今の歯科医療において何物にも代えがたいアピールポイントになります。
自信を持って、一歩を踏み出してみませんか?
ここで、衛生士Aさんの事例をご紹介します。
Aさんは7年のブランクを経て、自宅近くの一般歯科医院にパートとして入社しました。
Aさんには「以前はバリバリ働いていたし、基本は変わらないはず」という自負がありました。しかし、いざ現場に立つと、現実の現場は想像以上に変化していました。
デジタル化されたレントゲン、タブレットでの口腔内説明、そしてルールが複雑になった保険算定。
Aさんは最新のシステム操作に戸惑い、以前の自分なら当たり前にできていたスピード感で動けないことに、とても焦りを感じました。
「自分より若い子たちに、こんなことは恥ずかしくて聞けない…」
プライドが邪魔をして周囲に質問できず、ひとりで空回りしてしまったAさんは、わずか数ヶ月で「やっぱり私には無理だ」と、自信を完全に喪失して退職してしまいました。
失敗の原因は、Aさんのスキル不足ではありません。
「過去に取り残された自分」と「最新の現場」の間にあるギャップを埋めるための準備と、周囲に頼る謙虚な気持ちを後回しにしてしまったことにあります。

今の歯科業界は、ブランクのある方を歓迎しています。
今の歯科医療は、削る治療だけではなく、健康を守る予防の重要度が年々高まっています。そこで求められるのは、高度なテクニック以上に、患者様の人生に寄り添い、信頼関係を築く力です。
育児や介護、あるいは別の仕事で「人の気持ちに触れてきた」あなたの経験は、何よりも強力な武器になります。
慢性的な人手不足もあり、歯科医院側も「スタッフに選ばれる医院」になろうとしています。「時短勤務」や「週2日から」といった柔軟な働き方は、もはや特別なことではありません。
社会全体で働く人を応援する風潮もあり、歯科医院でも福利厚生の充実や、教育体制の整備が一気に進んでいます。一昔前の「見て覚える」という文化は、教育体制の整備へとアップデートされているのです。

「知識のズレ」が不安な方へ、現在の歯科診療のスタンダードを整理しました。
かつては「歯石を取って終わり」だったメインテナンスが、現在はより継続的な「歯周病管理」へとシフトしています。
特にSPTやP重防といった算定基準の変更は、衛生士の業務に直結します。
最初は難しく感じるかもしれませんが、「いかに歯を残すか」という本質的な考え方は、皆さんが大切にしてきたことと変わりません。
レントゲンはデジタル化され、ユニット横のモニターやiPadを用いた「視覚的な説明」が当たり前になっています。
口腔内カメラで撮影した画像をその場で患者様に見せ、納得していただく。
システム操作には慣れが必要ですが、これによって患者様との意思疎通は格段にスムーズになっています。
クラスBなどの高度な滅菌器の普及や、ディスポーザブル製品の拡大など、衛生管理への基準が非常に高まっています。
患者様だけでなく、働くスタッフを守るための環境整備が進んでいることは、復職者にとっても大きな安心材料です。
求人票の言葉だけでなく、面接や見学時に以下の質問をしてみてください。その医院の「教育への本気度」が見えてきます。
自分と似た境遇のロールモデルがいるかどうかは、安心感に直結します。
復職者が定着している医院は、ブランクへの理解がある証拠です。
「勝手に覚えて」というスタンスか、時間を取ってレクチャーする文化があるかを確認しましょう。
教育に投資する姿勢がある医院は、あなたの再スタートを必ず支えてくれます。
5年のブランクを経て、見事に理想の復帰を叶えたBさんの事例もあります。
Bさんは復職にあたり、「自分をよく見せようとしない」と決めました。
研修制度が整っている医院を選び、自分より若い衛生士さんに対しても、「先輩として敬い、ゼロから教えていただく」という姿勢を貫きました。
その謙虚な姿勢は、すぐに周囲のスタッフに受け入れられました。
チームに馴染んだDさんが次に発揮したのは、ブランク期間に培った「歯科医療従事者以外の目線」です。
Bさんは、患者様の小さな不安を汲み取り、専門用語を使わずに分かりやすく説明する力に長けていました。
「先生には聞きにくいんだけど……」という患者様の本音を引き出し、歯科医師との橋渡しを完璧にこなしました。
その高いコミュニケーション能力はすぐに評価され、技術面でも真摯に研鑽を積んだことで、数ヶ月後には「Bさんがいないと困る」と言われるほどの信頼を勝ち取りました。

最後に、責任感の強い皆さんに伝えたいことがあります。
復職直後から、完璧を目指さないでください。
「今日は戸惑わずにシステム操作ができた」
「患者様が笑顔で帰って行った」
そんな、一つひとつの小さな成功を積み重ねる自分を、まずは自分が認めて、褒めてあげてください。
家庭と仕事の「バランスの黄金比」は、人それぞれ、時期によっても異なります。
無理をして短期間で燃え尽きるよりも、今の自分に最適なペースで細く長く続けていくこと。
それが、患者様にとっても医院にとっても、最も嬉しい貢献になります。
「ブランク」という言葉は、直訳すれば「空白」です。
しかし、あなたが歯科の現場を離れていた時間は、決して空白ではありません。
人生の様々な経験を経て、社会性を身につけ、俯瞰的な視点を持った今のあなたは、以前よりもずっと深みのある歯科衛生士になっているはずです。
歯科業界に戻ることを選ぼうとしているあなたを、私は歯科医師として、心から応援し、歓迎します。
「今の自分に合う医院がどこかわからない」
「自分の技術を正直に伝えた上で、受け入れてくれる場所を探したい」
そんな時は、ぜひ「ゲンキャリア」にご相談ください。
私たちは、復職者の不安を理解し、それを安心に変えるためのサポートを惜しまない医院を、経営コンサルの視点から厳選してご紹介します。
あなたの新しい一歩を、私たちは全力で支えます。