歯科医・歯科衛生士、歯科医院のための転職・求人・採用サービス「ゲンキャリア」
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転職・復職を目指している歯科衛生士の方や、歯科衛生士を求める歯科医院の方へ、
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30代、40代。歯科衛生士として現場を支え、中堅からベテランへと差し掛かる時期です。
同時に、結婚、出産、育児、あるいは親の介護など、プライベートでの役割が激変する世代でもあります。
「もっとプライベートを楽しみたい」
「毎日クタクタで、家では寝るだけ」
「今のままでは体が持たない」
そう感じたとき、真っ先に目が行くのが「土日休み」や「18時終業」という条件でしょう。しかし、多くの歯科医院の経営をコンサルタントとして見てきた私から、あえて厳しいことをお伝えします。「条件という『箱』だけで職場を選ぶと、数年以内に必ずまた転職することになります」
それは、条件が良い医院には必ず「その条件を維持できる理由(経営の裏側)」があるからです。
現場を知る歯科医師の視点から、30代・40代の皆さんが「本当の意味で長く、安定して働ける場所」を見極めるための本音をお話しします。
ここで、私の知人の衛生士Aさんのエピソードをご紹介します。
Aさんは、夜22時まで診療する激務に疲れ果てていました。
毎日クタクタで、家に帰ると倒れるように寝る生活。友人と食事に出かける時間も気力もありません。「次は絶対に、早く帰れるところにする」と心に決め、転職サイトで見つけたのは「土日休み、18時終業」という好条件の医院。
Aさんは「これで生活を楽しむ時間ができる!」と、診療内容を深く調べずに入職を決めました。
入社して数ヶ月後、「新しい職場はどう?」と連絡をすると、返ってきたのは暗い言葉でした。
「先生、毎日がストレスでいっぱいです。」
その歯科医院は、労働条件を守る代わりに「短時間でいかに診療を回すか」に執着していました。
Aさんがこれまで培ってきた丁寧なスケーリングやTBIを実践する時間はなく、求められるのは短時間でのスケーリング、そして、診療補助や器具の片付け、在庫管理や電話対応といった雑務を時間内に終わらせること。
衛生士としての専門性も今まで培ってきたスキルも発揮できず、日々の診療にやりがいを感じられない。
成長の実感も持てず、Aさんは自分の価値を見失い、「キャリア迷子」になってしまったのです。
条件はあくまで箱に過ぎません。
その中身である「診療方針」や「求められる役割」が自分の価値観と一致していなければ、いくら早く帰れても心は疲弊してしまいます。

30代・40代が求めるべき「安定」とは、単に休みが多いことではありません。
自分の価値が正しく評価され、無理なく収益に貢献できている状態」こそが、真の安定です。
週休2日を維持するためには、診療時間内に効率よく稼働する必要があります。
見学時にチェックすべきは、ユニットの稼働時間と予約枠です。
15分枠しか与えられないような過密スケジュールなら、それは土日休みの代償として、平日の過酷な労働が潜んでいるかもしれません。
求人票の「土日休み、残業なし」で安心せずに、見学時には「スタッフが余裕を持って患者様と向き合えているか」を確認しましょう。
安定の定義は人それぞれですが、将来を見据えるなら「社保完備」は押さえておきたい項目です。
また、経営が安定して人が定着している医院は、スタッフを「コスト」ではなく「資産」と考えています。
昇給の基準が不明確な医院は、将来的に頭打ちになります。
面接では、これまでの経験を基本給にどう反映させ、今後の昇給を明確に説明できる院長かどうかを必ず確認してください。
安定した経営には、リコール患者の存在が不可欠です。
予防歯科に力を入れ、メンテナンス枠がしっかり確保されている医院は、衛生士の専門性を尊重します。
歯科衛生士として輝ける場所かどうか、しっかりと確認しましょう。
30代で理想の職場を見つけ、現在もイキイキと活躍しているBさんの事例をご紹介します。
Bさんは転職を考える際、まず「自分は何が得意で、何にやりがいを感じるのか」を徹底的に自己分析しました。
「私は患者さんと長く付き合い、口腔内が改善していく過程を見るのが好き。
だから、担当制でじっくり向き合える環境がいい」「10年後、20年後になっても『この衛生士さんに担当してもらいたい』と言われるプロでありたい」
このように、目先の条件だけでなく、「自分の専門性をどう評価してほしいか」「将来どんな姿でありたいか」を言語化したのです。
Bさんは転職先を探す際に「できたら土日休みだと嬉しい」と言っていましたが、最終的に、土日休みではないものの、教育体制が整い、認定衛生士の取得支援がある医院を選びました。
「今は学ぶことが多くて大変ですが、自分の技術が上がると、患者さんの笑顔が変わるんです。それが自信になり、結果として仕事が楽しくなりました。
もちろん、土日休みっていいなと思うことはあるけれど、それを超える充実感があります。自分が成長している実感があるから、心に余裕が生まれています。家庭との両立も以前よりずっとスムーズです。」
「条件だけで選んで後悔したAさん」と、「キャリアを考えて成功したBさん」。
この二人の分かれ道は、転職活動のスタート時に「自分自身の価値観と未来」を言語化できていたかどうかにあります。
30代・40代は、これまでの経験という大きな武器がある一方で、守るべき生活や体力的な変化も無視できません。
今のあなたの「本音」を整理してみましょう。
転職を迷っているなら、今、少しだけ時間をとって以下の4つを書き出してみてください。
まずは、歯科衛生士としての今の実力を客観的に書き出します。
・得意な処置は?(SRP、ホワイトニング、小児など)
・これまでに担当した患者数は?
・専門以外でできることは?(後輩への指導、マニュアル作成、自費率アップの提案など)
仕事に求める優先順位を明確にします。
・絶対に譲れない「必須条件」は?(18時退勤、土日休みなど)
・あれば嬉しい「希望条件」は?(認定資格の支援、マイカー通勤など)
・今の職場で最もストレスを感じていることは?
「今」の条件だけでなく、「未来」の自分に問いかけます。
・50代になった時、どんな働き方をしていたいか?(時短勤務、なじみの患者さんに指名されて働きたい、など)
・その時の自分には、どんなスキルが必要か?
・その時のプライベートの環境は?(移住したい、孫の育児をサポートしたい)
自分の強みを最大限に活かせる「場所」の条件を考えます。
・どんな院長のもとで働きたいか?(技術重視、あるいは人間性重視など)
・どんな診療スタイルの医院がいいか?(担当制、ユニットの個室化など)

今のキャリアを棚卸した後に行うことは、理想の未来から逆算です。
何歳まで現役でいたいか?その時、どんなスキルを持っていたいか?
そのスキルを得るためには、どんな設備や院長のもとで働くべきか?
成長できる環境でありつつ、今の生活を維持できる「土日休み」や「勤務時間」を探す。
この順番を間違えて「条件」から先に入ってしまうと、Aさんのようにキャリアの迷路に迷い込んでしまいます。
「土日休み」や「安定」を求めることは、決してわがままではありません。大切なのは、その条件の中で「あなたがあなたらしく輝けるか」です。
歯科業界は今、慢性的な人手不足です。だからこそ、30代・40代の経験豊富な衛生士さんは、もっと欲張っていいのです。ただし、その「欲張り」の方向を、条件だけでなく「自分の専門性と未来」に向けてみてください。
「自分一人では、どの医院が自分に合っているのか判断できない」
「経営状態や内部の人間関係まで知った上で選びたい」
そんな時は、ぜひ私たちが運営する「ゲンキャリア」を頼ってください。
私たちは、単に求人を紹介するエージェントではありません。
歯科医師として、コンサルタントとして、その医院が「あなたを本当に大切にしてくれるか」を、経営の裏側まで含めて判断します。
今の職場にモヤモヤしているなら、それはあなたが「もっと輝ける場所」があるというサインかもしれません。
まずはあなたの、これまでの頑張りを聞かせてください。一緒に、10年後も笑顔でいられる職場を見つけましょう。